―序章―
時刻は午前2時・・・・・・・
あたりは物音一つない異様な静けさが支配している。
そんな中、一人の男の声だけが漂っていた・・・・・・。
「うっ・・・・あぁ・・・・苦しい・・・・・くるしいよぉ・・・・・・」
男はしきりに苦しいと口にするがあたりには人どころか生き物の気配はまったくない。
「はぁ・・・はぁ・・・・た・・す・・・・・・・・・・・」
男は何かを言をうとしたところで力尽きそのまま冷たくなっていった。
*
朝、学校に向かう生徒の話題のいくつかに今朝のニュースの話があった。
「ねぇねぇ、今朝のニュース見た?」
「あぁ、あの原因不明の死体?」
そんな話しがあちこちで聞こえてくる。
そして、その中で同じ話しをしているのに少し異様な空気をだしている3人がいた。
「ねぇねぇ、南野ちゃん、今朝のニュース見たよ!またぁ?」
「なんで、私だってわかるの?」
南野と呼ばれる女子が疑問気に聞く。
「だってやり方みればわかるよう。それに比べて私のはキレイだけどね。」
聞かれた女子、桜井は笑って答えた。
「何いってるの!桜井だってそうとう悪趣味じゃん。」
南野も笑って言う。
「俺はどっちもどっちだと思うけどね。」
突然後ろから声をかけられて南野と桜井が飛び上がって後ろを振り向く。
「なっ・・なんだぁ恭介か」
南野と桜井は声をそろえて呆れ顔で言う。
「そうそう昨日、面白い奴見かけてさぁ。」
恭介が突然真剣な顔をして話し始める。
「なになに?」
恭介が真剣な顔をして話す時は大抵新しいターゲットの事なので二人とも期待して話しを聞く。
「それが、昨日本屋に行ったのね。そしたらたぶん中学生くらいの餓鬼だろう子が魔術や呪いの本を5,6冊まとめ買いしててさぁ
俺が魔術とかに興味があるの?って聞いたら呪いを得意とする高校生がいるって噂を聞いて興味がでたって言うんだよ。」
笑いながら話す恭介にたいして南野と桜井はちょっと困った顔をしていた。
「なぇ・・・それって私たちの事がばれてきてるって事?」
桜井が焦り気味に言う。
「何焦ってるの?ばれたら知った奴全員の記憶を呪えばいい。」
南野が平然と言う。
「話しの続きなんだけどね、俺が誰にその話しを聞いたの?って質問してみたの
そしたら、髪の毛が白いお兄さんって言うもんだから爆笑。まぁ俺はちゃんとその話は今高校で流行ってる作り話だよって言っといたけどね。」
恭介が笑いながら話を進めた。
「・・・あいつか犯人は!」
南野と桜井が声をそろえて言う。
「そっ、髪が白くて俺らのことを知ってる奴といえば神野君しかいないもんねぇ。」
腹を抱えて笑いながら喋る恭介に南野がゲンコツをくらわせて言う。
「あんた、何笑ってんの?私たちの事をばらしたんだよあいつ!」
「そうそう、今からお仕置きしに行くよ!」
桜井がそういって恭介を引っ張って早々と学校に入っていく。
―1―
「神野ー!!このやろぅ!」
桜井は教室に入ってすぐに神野と呼ばれる男のところに駆け寄る。
「え?どうしたの?」
神野はまったくわけがわからない様子だった。
「何知らん顔してんだぁー!!」
桜井が怒鳴りつける。
「あぁ?もしかして・・・・ばれてる?」
神野が恐る恐る聞く。
「そのとうり、あの餓鬼が全部チクったよ。」
恭介が追い討ちをかけるように言う。
「マジ?口軽いなぁあの餓鬼・・・。」
冷や汗をかきながらもどこか余裕を持って言う神野。
「まったくお前今回はなんのようだ?」
恭介が苦笑しながら神野に聞く。
「やっぱりバレてるのねそれも・・・。」
「あんたはいつも私たちに用がある時はこうやって嫌がらせするからね。普通に呼べばいいのに・・・。」
南野が呆れ顔で言う。
「じゃあ本題に入るけど・・・・実は此間俺があるおっさんを呪ったんだけどそいつが魔術師だったのよ。それで抗戦の末ピンチなんだぁ今。」
笑いながら神野は言う。
「へぇー面白そうじゃん。」
桜井が微笑んで言う。
面白そうという意見は全員一致している様子だった。
「で?手伝ってほしいと?」
恭介が確認するかの様に言う。
「そのとおり。どう?」
神野は頷いて答える。
「そんな面白そうな事なら喜んで手伝っちゃうよ。」
南野が嬉しそうに答える。
「いやぁ南野ちゃんはいつ見ても可愛いねぇ。」
神野が南野に微笑んで言う。
「・・・あんた調子に乗ってると呪い殺すよ?」
南野が笑顔に思いっきり殺気をこもして言い返す。
「・・・・それより神野が苦戦するような奴相手に遊んでる暇はないんじゃないのか?」
恭介が真面目にみんなに聞く。
それもそのはず、この4人の中で神野が一番呪術に詳しく巫力も強いからだ。
「確かに・・・ここは久ぶりに4人集まったんだから最高呪術のあれいってみる?」
南野がみんなに確認をとるように聞く。
「・・・あれって・・・私たちの中で禁呪になってるあれ?」
「そう、そのあれ。」
桜井の質問に笑って答える南野。
「・・・・まぁ4人でやれば平気か。」
恭介は賛成したようだった。
それに続いて全員の意見が一致した。
―2―
時刻は午前2時半をまわり、あたり一面にまったく灯りがない。
暗闇の中、4人の高校生がボソボソと何かを始めていた。
「じゃあ、さっそくやるよ。失敗は許されないからね。」
南野が緊張を隠せずに額に汗をかいてそれをぬぐった。
全員が深呼吸をして精神を集中させた。
そして・・・・始まる。
「憎む者を消したいならフレイヤ神の兄であるフレイ神の象徴であるフェォのマークに自らの涙を、我の涙は全て、フレイヤにささげる・・・」
4人は呪文を唱え始める・・・・・。
その瞬間あたりの空気が一瞬にして異様なものへと変わり気づいた時にはもうそこはこの世のものではなくなっていた。
それでも呪文は続く・・・・・一人の人間を消すために。
「罪深き者よ、その魂は死滅せざるおえない・・・・尊い命、我の涙とともに蒸発せよ・・・・・罪深き者たちは死滅の門を叩くだろう・・・・・・」
4人は手馴れた手つきで呪術を進めていく。
そして1時間くらいこの呪術は続き、ようやく終った。
「ふぅ・・・やっぱりこの呪術は疲れるねぇ。」
苦笑しながら桜井が言う。
「きっつ~。もう3日は人を呪えないや。」
恭介も桜井に続いて苦笑しながら言う。
そして、そのまま4人は笑顔でさよならをいって家に帰っていった。
―終章―
翌朝、学校にみんなが登校してるなか今朝のニュースの話があちこちで耳に入る。
「・・・・最近自殺だの原因不明だのって多いよねぇ。」
そんな話しも時より聞こえてくる。
そして全てを知る者たちは笑顔で話す。
「いやぁ、昨日は疲れたねぇ。」
南野が桜井に話す。
「うん、あれはやっぱ多用は出来ないね。」
桜井が微笑して答える。
「まぁそもそもあれは神野がいないと無理だしね。」
恭介が苦笑して言う。
「やっぱ神野君は凄いね」
改めて感心したように桜井が言う。
「なに?俺のこと褒めてるのかい?」
神野が突然後ろから話しかけてくる。
それに南野と恭介と桜井が驚いて飛び跳ね振り向く。
「もう!昨日は恭介で今日は神野かよ!」
南野が頬を膨らませて怒った顔をする。
そして、普通の雑談が始まる。
昨日の出来事が夢のように・・・・・・・・
呪いの子には人を殺めた罪を感じる事はなく・・・・・・・。
この世に呪いのこは確実に存在する。どこにいるのかはわからないけど・・・・。
もしかしたらあなたの友人にも・・・・・・・・