地域防衛部などというものが出来てから、2週間ほど経っています。
地域防衛部の衣装は、新●組の隊服を明らかにパクッタものです。決めポーズにいたっては、どこぞの戦隊物ヒーローですらやらないほどの恥ずかしいもののわけで・・・・・
僕は、一生で一番の恥を今あじわっているだろう・・・確実に。
そして、今は地域防衛部緊急会議などというものが行なわれている。
「今回、キミたちに集まってもらったのは他でもない。地域防衛部に依頼がきたからだ。」
神児さんが、今まで見せたことのない真面目な顔で話している。神児さんでも真面目な顔はするらしい・・・・。
「依頼の前に、出動VTRを学校に流さなくてはいけないわ。」
優希さんが焦った様子で言っている。
優希さんが言う、出動VTRとは、この日のために撮影した戦隊ヒーローの番組でいう、オープニングテーマの映像です。
可奈子さんが撮影して、僕たちはスタントマンもビックリな事をやってのけている。
龍魔さんは殺人術の使い手?らしいですし、神児さんはありえない運動神経で飛び回り、僕は命の危機を感じながらも必死で頑張りました。
「その前に、この依頼が俺たちが動くに値するものかどうか決めるべきだ。」
龍魔さんが眉間にしわを作って話している。
僕は、その前に地域防衛部の存在を検証すべきだと思います。まぁ、心の中で思うだけで実際に口にしないけど・・・。
「それは既に決まっているよ。実際に動くから、こうやって会議を開いてるんだよ。」
可奈子さんが、龍魔さんの額に指を指して言う。
「今回の依頼は、公園に毎日のようにたむろする不良をなんとかしてくれ。というものだ。」
神児さんが机に肘をついて話す。
「そこで、作戦Xで今回の事件解決を試みる。以上!各隊員は隊服に着替え出動したまえ。」
「ラジャァ!!」
とか、勝手に話は進んでいるけど・・・・・作戦X??僕は知らないぞ。作戦なんて何一つ決めてないのでは?それとも僕はいつの間にか仲間はずれに?みんな、「ラジャァ!!」とかかっこよく言ってるけど・・・僕はついていけません・・・。
「秋凪くん。何やってるの?早く着替えて。」
「あの・・・・僕、作戦Xって聞いてないんですけど。」
「作戦X?あぁ、気にしないでいいよぉ~。」
可奈子さんに笑顔でかわされた・・・。可奈子さん、僕は今ので気づきました。いや、今の状況を知るものは、みんな気づいたでしょう。作戦なんてないんですね。なんで、そんな適当なんですか?いいんですか??
「早く着替えていくよぉ~。」
「はい・・・。」
僕は、しぶしぶ新●組の隊服を明らかにパクッタ衣装に着替えて出動した。
ピ~ンポ~ンパ~ンポ~ン
学校中に放送開始の音が響き渡った。
「全校のみなさん。教室のテレビをつけてください。これより、地域防衛部出動です!」
可奈子さんの声が学校中に響いた後、テレビに龍魔さんのありえない動き、神児さんのスタンドマンも驚きの動き、僕の死ぬか死なないかの恐ろしい動き、が映された。そして最後に校庭で、地域防衛部の5人が決めポーズをしてる映像が写される。
僕たち地域防衛部は、それと同時に校庭で決めポーズをしながら高笑いをしている。
「おい、マジで校庭にいるぞ!」
誰かが僕たちに気づいて、そんなことを言っている。
「キミたち!もう安心したまえ。我々、地域防衛部はこれより市民の平和を取り戻しに行く。公園は明日には平和な楽園と化すだろう。」
神児さんがノリノリで話していく。そして、それだけ言って僕たちは走り去っていった。
僕は、公園の茂みに隠れて、たむろしている不良たちを偵察している。なぜ、僕がこんなことをしているのかというと、それはこの間の、生徒自殺未遂事件が原因なのです。そう、壁を忍者の如く登ったのを神児さんに見られていたのです。
「秋凪は忍者だし、偵察は得意。秋凪に任務だ。」
神児さんのその一言で今の状況に至ったのです。・・・・本当にみんな適当なんだから。
不良たちは全部で13人くらいいる。不良たちは、うちわや本で体を扇ぎながら独特の座り方をしている。髪も金とか赤とかに染まっていて完全に不良の極みみたいです。
メンドクサイので、今度も端からA~Mと名づける。
「あっついなぁー・・・・。」
「マジで熱いな。」
不良AとBあたりがそんな会話をしている。
それなら、こんなところでたむろしなければいいのに・・・・。僕はそう不良に教えてやりたくなった。
「なんかやる事ないかぁー。」
「ぁあ、暇だな~。」
「まじで、やることないのかぁー。」
不良C,D,Eがそんな会話をしている。
それなら、こんなところでたむろしなければいいのに・・・(省略)
「あっついなぁー。」
「おい、この暑さなんとかならないのか?」
「知るか!俺に言うな。ほら、これが温暖化ってやつじゃないのか?」
不良K、L,M,がそんなことを話している。
それなら(以下省略)
不良たちは暑い暑いと、暑いならこんなとこにいなければいいのに。常識がないのかなぁこの人たちには・・・・・。
僕は一通りに心の中で絡んだ後、簡単に偵察を済ませて戻った。
僕が戻った場所には、常識などまったくない、地獄絵図、魔界が広がっていた。
僕は今すぐに、先ほど不良に言った、「常識がない」と言うことばを撤回しようと思う。不良のみなさん、あなたたちは常識的です。この暑い中、うちわや本で風をおこし、暑いのを少しでも和らげようと、できる限りの薄着をして、それだけ知恵があれば人間の合格点に達しています。不良のみなさん、あなたたちは常識的です。
それじゃあ、どんな人たちが常識知らずかというと・・・・僕の目の前にいる人たちです。
「あのぉ~・・・・なんで、そんな格好をしているんですか?」
僕が、今話しかけた銀髪の青年は、羽毛の沢山入った、冬に着ればとても暖かそうなジャンバーを着て、フードを被り、マスクをして、サングラスをかけている。しまいにはモッコモッコの手袋をして、蹲っている。そしてその変人が4人・・・・・。
「なんでって、出来るだけ目立たないように変装したんだよ。」
「かなり目立ってます。そうとう変ですよ。へたすれば職務質問ですよ。」
僕は、頭に浮かんだ言葉を端から述べた。
「この完璧な変装のどこが変なんだ?」
「だいたい暑いでしょ?天気予報じゃ今日は24度だそうですよ。」
「そうか?」
そうか?じゃないですよ!神児さん。なんでそうやってすぐふざけるんだか・・・・・。
「そういえば、偵察してきましたよ。」
僕は、今後の進展が望めなさそうな会話は無視して、偵察してわかったことを事細かに話した。
「よし!作戦G1でいく。みんな配置につけ!」
「そんな作戦ないんですよね?」
「うん。」
うん。って・・・神児さん、即答ですか?じゃあ、その言葉にどんな意味が?・・・。
みんな頷いて勝手に行動してますけど・・・・何をする気ですか?何も作戦なんてないのに、なんでテキパキ動けるんですか?
「秋凪くーん。この服に着替えて。」
「なんですか?」
「白いワンピース。」
「なんですか!?なんでそんなの着ないといけないんですか!!」
可奈子さんが、またわけのわからない行動を・・・・・・。しかも、神児さんたちが僕を取り押さえてくる。この団結力はなんなんですかぁ!?
・・・・・・僕は、あっという間に白いワンピースに着替えさせられた。
ヒドイです・・・酷すぎです。
「よし。不良たちにダイレクトアタックだぁ!いけぇ、秋凪くん!」
可奈子さんがそういうと、龍魔さんが僕を投げ飛ばした。僕はそのせいで不良の背中にぶつかってしまう。・・・・・・・・僕はなんでこんなに不幸な少年なんだろう・・・。
「いってぇーな!んだぁ、コラァ。」
不良Bあたりが、独特の不良言葉で睨んでくる。
「えっと・・・あの・・・すいません。申し訳ありません。」
あぁ、お怒りだ。龍魔さん、どうして投げたんですか?僕、ピンチじゃないですか。
「ん?おい、そいつ可愛くねぇ?てかマジ、可愛いじゃん。」
「ぉお、マジだ。激マブじゃん。」
「すげぇー可愛いじゃん。俺、一目惚れだぜ。」
僕は男です!なんですかその反応は。不良D,E,Fあたりだと思う。に言います。僕は男です。よく見てください。
「おい、よく見たらこいつノーメイクじゃねぇ?」
「マジかよ、メイクなしでこの可愛さかよ!ありえねぇ、芸能人より可愛いんじゃね。」
バカ!アホ!不良B,C、僕は男です。よく見てもわからないんですか?
てか、神児さんたちは何をしてるんですか?僕を置いて逃げたとか?
「俺、我慢できねぇー。こいつ、襲っちゃおうぜ。」
やめてください。僕は男です。そんな気持ち悪い・・・・。
「やめろ!市民を脅かす悪党ども!我々が退治してくれる。」
神児さんがかっこよく登場した。
「この悪党が!彼女から離れろ!」
龍魔さんが、やる気があるんだかないんだか、微妙な口調で言った。
「みんなの平和を守るため、あなた方を退治するからね!」
可奈子さんがビシッ!と指を指して言った。
「この世の不要物、時代時代に必ずいる汚物。私が浄化しましょうか?」
優希さんがボソッと言った。・・・・かなりキツイなこれは・・・。
「さぁ、今だ!そのワンピースを脱ぐんだ!」
神児さんが叫ぶ。
・・・・・・何がなんだかわからないけど、この恥ずかしい格好と、おさらばできるならこんな嬉しいことはない。とりあえず脱いどこうかな。
「わかりました!」
僕は神児さんに言われるまま、ワンピースを脱ぎ捨てた。
そして、また新たな辱しめ。
ワンピースの下は、いつのまにかパクリ衣装。もう、なんのパクリかは言わないでおきます。
僕はとりあえず、みんなのもとへ走る。
「なんですか。どうやってワンピースの下にこんなもの着せたんですか?」
「テクニックだよ。秋凪くん。」
可奈子さんの笑顔が返ってきた・・・・・。
「悪を成敗、平和を守る!!」
「正義のヒーロー!!」
「地域防衛部!!!」
これがTV番組なら、確実に地面から火が吹くところだ。
決めポーズ・・・バッチリ決まる。・・・・突然、決めポーズを始められて反射的にやってしまう自分が死ぬほど嫌いです・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・正気か?」
不良Gあたりが聞いてくる。
・・・・・もちろん。・・・・残念な事に、非常に残念ですが、正気なんです。僕は一刻も早く正気じゃなくなりたい。そうすればいくらか楽でしょうに。
「救急車呼ぶか?」
不良Aが聞いてくる。
是非、呼んでやってください。そして、異常があって欲しいです。そうすれば今の自分に納得がいきそうです・・・・・。
「あの、ここはみんなで使う場所なんです。そこに、あなた方のようなガラのあまりよろしくない方たちがいますと、みんな気持ちよく使えないんです。ですからここから離れてもらえませんか?」
僕は、神児さんたちが事を荒立てる前に不良たちに話しかけた。
「みんなが使う場所なら、俺らにだって使う権利はあんだろぉーが!テメーらみてぇーに変な格好した奴らに、んなこと言われる筋合いねぇーよ!」
不良Mが、独特の口調で言う。
はい。そうですよね。こんなふざけた格好の奴に言われたくないですよね。そうですね、僕でも、こんな格好した奴にいわれたくないです。
「だいたい、そんなフザケタ格好して親が悲しむぞ。」
文句のついでに、不良Fあたりに悟られる。親の前に、僕が悲しいです
「・・・・・・・・かわいそうになぁ。」
同情される僕。
もう、気の弱い人なら自殺しているかもしれません。
「いいから立ち去るんだ!」
神児さんが不良に指をさして言う。
「ぁあ、ぶっ殺されてぇーのか。」
不良たちが、睨みながら言う。
「社会の底辺を這いずり回るこの世の不要物。つまりは、あなた方は権利を訴える前に、他人に迷惑をかけない事です。見なさい、風の子といわれる若者たちが戯れ、無意味な遊びを楽しそうにしているはずの公園の惨状を。不要な汚物しかいないじゃない。これが公園といえるでしょうか?ですから貴方たちには消えてもらいます。公園の平和のために。覚悟しなさい!戦闘員『う』。」
優希さんがビシッと不良Gに指を指して言った。優希さんは不良を50音順区別したらしい・・・・・。それにしても、淡々と話しているけど・・・・優希さん、ちょっと酷すぎじゃないですか?不良にも心はあるんじゃないでしょうか?いくらなんでも可哀想です・・・・。
「誰が戦闘員『う』だ!」
反論する不良G。あたりまえですよね・・・・。
「それにしても、服装が、オリジナリティーがあるように見えて、実際のところ画一的で、オリジナリティーのまったくない服装ばかり。髪型なんか、どれもこれも一緒。よくそんな似た格好ものどうし集まれますわね。」
優希さんがニヤッと笑って話す。僕は、優希さんが少し怖くなりました。この人は、他人のことを考えてないんですか?なんか僕は不良が可哀想でほっとけなくなってきました。
「テメー!殺してやる!ふざけんなよ。」
不良A,Bが叫びながら走ってくる。
「・・・・・話し合いで解決しないなら、実力行使しかないな。」
龍魔さんがそういて・・・・・・一瞬で13人の不良が倒れた。
無茶苦茶だよ・・・この人たち。酷すぎですよ・・・。
「解決だ。帰るぞ!」
神児さんが一言そういうと、みんな帰りはじめる。
解決してませんよ!結局、弄り回すだけ弄り回して終わりですか?ヒドイです。
不良の方々も、この人たちにかかわったのが人生の失敗場面ですね・・・・。
僕は不良たちを心の底から同情します。
そして、一言伝えたいです。人生、悪い事ばかりじゃないよ。きっと良い事もあります。頑張って生きてください。僕は不良たちに心の底から同情の言葉をささげます。
あの悲劇(不良たちにとっての)から1週間。地域防衛部はなくなっている。正確には、神児さんたちの気が変わったという理由で、また改名されたのです。
現在の僕の所属部名は、『探偵事務所、K・E』です・・・・・。K・Eと聞いて何人が気づいたでしょうか?コ●ンの名前をイニシャルでパクッタものです。神児さんが、コナンの推理力と死神力は素晴しい。尊敬すべきだ。と、コナンの見すぎバリバリの意見を述べたせいで結成された。
「あのぉ・・・何か部活動はないんですか?」
「ない。平和でいいことだ。」
神児さん。僕が部活というものを勘違いしてるんでしょうか?僕はこんなやることのない部活は初めてです。
「秋凪くん。クッキー作ったから食べてみて。」
可奈子さん。僕は部活動が・・・・・。それに、なんで部室にクッキーを焼く道具がそろってるんですか?
「この本つまんねぇーな。もっと力入れて書けよ。」
龍魔さん・・・・・。ここは何部なんですか?僕はなんでここにいるの?それに最後まで読んでおいて文句ですか?
「・・・・・・どんな場でも、一つの観点に縛られなければ楽しみはみつかるはずよ。」
優希さん・・・また意味がわからない言葉を・・・。ていうか僕の心読めるんですか??
僕は・・・どうしてこんな変な人たちに囲まれているんでしょうか?
今後も・・・こんな無茶苦茶な日々を送らなければいけないようです。僕の精神がもつか心配ですよ・・・・・。
みなさん、少しは考えた行動をしてくださいね・・・・・。
「秋凪くーん。カラオケいこぉー!」
「あっ。はーい!わかりましたぁ。・・・・・って、まだ5時間目と6時間目の授業があるじゃないですか。」
はぁ・・・言ってるそばから・・・。僕はまず、この人たちに慣れることが出来るでしょうか・・・?