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    長編小説

~Anoyher World~


「ぇえ!?犯人わかったんですか!?」
僕は神児さんの言葉に、驚きを隠せずに言った。
「ぁあ、犯人は可奈子!お前だ!!」
「はい!?可奈子さんのわけないですよ!」
僕はイキイキと指を指して叫ぶ神児さんに、叫ぶように言った。
「本当か!それは。」
安藤さんが期待した様子で聞く。それに続いて、ここにいる全員が神児を見た。
「・・・・ああ、間違いない。3日前に俺の楽しみにしていたシュークリームを食べたのは、100%可奈子だ!」
「はい?・・・・・」
僕は幻聴でも聞いた気になった。
「はっ?・・・・・・」
他の全員も同じような反応だったと思う。
「舐めてるのか!?」
安藤さんと高橋さんと前田さんの三人が怒鳴るように言う。
それは当たり前だろう・・・・・。
「ふざけないでくれる。」
藤崎さんと松橋さんが睨みながら神児さんに言う。
それに合わせて僕も少し睨んでみる。
「白状した方がいいぞ。言い訳しても俺には全ての謎が解けている。」
神児さんはそんなのお構いなしに可奈子さんを睨んで言う。
「バレちゃったか。まぁ今度奢るから許してよ。」
「・・・・許そう。」
可奈子さんが微笑しながら神児さんに言って神児さんは頷いて答える。神児さんは、とても満足そうです。
今はそんなくだらない事している場合じゃないでしょうが。僕は本当に情けなくなります。
「いい加減にしろ!!今がどんな状況かわかってるのか!?」
高橋さんがキレたのか怒鳴る。僕はなぜかビクついてしまった。
「そうだぞ神児。犯人は本当にわかってないのか?」
龍魔さんが真剣な顔で言う。
ぁあ、信じてました龍魔さん。やっぱ一番普通なのは龍魔さんです。
「ん?犯人なんてわかるわけないだろ。」
神児さん。先ほどの天才ぶりはまぐれですか?
「・・・・ならここは解散だな。これ以上ここにいても何も変わらないだろう。」
龍魔さんはそういうと、一人歩いていってしまった。僕はみんなが龍魔さんに付いていくのを見て、それに続いた。


僕たちは、誰もいないところまで歩いてきていた。
「それで神児、犯人は誰?」
僕は何がなんだかわからなかった。唐突に優希さんが妙な事を口走った。
「えっ?なに?本当は犯人がわかってたみたいな感じ!?」
可奈子さんが何故かはしゃいで言う。
「犯人は、まだ確実には特定出来ていない。だが次に狙われるとしたら、高橋、松橋のどちらかのコテージだろう。」
神児さんが平然と言い切った。
「やっぱり適当な事言ってたのか。で、なんで次に狙われるのが高橋、松橋のどちらかなんだ?」
龍魔さんが神児に聞く。僕もそこは聞きたいところです。
「簡単な話だ。今、事件という物語の中にいる登場人物は高橋、松橋、安藤、藤崎、前田、そしてここにいる5人。安藤、藤崎は既に狙われているから、また狙われるとは考えにくい。理由は、これが特定の人物を狙った犯行ではなく無差別だと考えたから。無差別の場合、一度失敗した人物をもう一度なんてメンドクサイことはしないだろう。次にここにいる5人は、常に5人で行動している事がほとんどだ。それは既に他の人間もわかっているだろう。そんな5人で束になっているところを狙って、失敗したら犯人はかなり不利な状況になるだろうから狙われない。つまり、次に狙われるとしたら高橋、松橋のどちらかだ。おおかた犯人はビックなニュースでも欲しいんだろう。」
神児さんが淡々と意見を述べる。
やっぱ凄い人なんだと改めて認識しました。
「前田はどうした。あいつだって狙われる可能性あるだろ?」
龍魔さんが唐突に言う。確かにそうだ、前田さんを忘れてますよ、神児さん。
「何を聞いていたんだ。最後に言っただろう。おおかた犯人はビックなニュースが欲しいんだろう、とね。」
神児さんが明らかにメンドクサソウに説明してくれました。そんなあからさまにメンドクサがらなくても・・・・・。
「そこでだ・・・・」
神児さんが真剣な顔つきになって放し始めた。
みんなが神児さんに注目する。なにやら可奈子さんいわく、神児さんがこういう場面で真剣な顔をしたら、何か面白い事をやってくれるらしい。僕には何をするのか不安すぎてしょうがないですけど・・・・・。
「いいか。今回は二手に分かれて、一日中高橋と松橋のコテージを見張る。怪しい奴が現れたら別チームに連絡を入れてから捕獲にかかる。」
神児さんが面白そうにうかれながら言う。
「そしてチームだが、均等の力に分けて考えると、Aチームは可奈子、俺、秋凪でBチームが優希、龍魔かな。では作戦へ移れ。」
「了解。」
神児さんが淡々と述べた後、全員が何故か敬礼をして好き勝手に走り去っていく。ちなみに僕は敬礼もしてないし、走り去ってもない。
「作戦なんてないじゃん・・・・しかもみんなチーム関係ない気味・・・・。」
僕は突っ込みをいれずにはいられなかった・・・・。
「おーい、秋凪くんおいてくぞぉ。」
可奈子さんが僕を呼んでいる。まぁ僕はとりあえず付いていく事にした。



時刻は深夜0時。
僕たちは松橋さんのコテージを近くの林から見張っている。
今のところ怪しい影は見当たらない。
「あれ!秋凪くん、誰か来たよ。」
「えっ!?・・・あれは前田さんじゃないですか!」
僕は可奈子さんに言われた方を見て驚いた。そこには前田さんが何か不思議な袋をもって歩いていた。
「ちょっと、神児さん!起きてください。前田さんが来ましたよ。」
「ん?・・・そんな奴・・・・知るか・・・・・シメ・・と・け・・。」
神児さんは寝ていたんです。てか現在進行形で寝ています。シメとけってどんな寝言ですか。最悪ですねこの人。
「ちょっと起きてくださいよ!前田さんです。神児さーーん!!」
僕は必死に神児さんを起こそうと努力しました。
「秋凪くん。前田っちが松橋さんのコテージの前で何かやってるよ。」
「えっ?・・・・しょうがない。龍魔さんと優希さんに連絡とって、前田さんを止めに行こう。」
「了解!隊長。」
可奈子さんは龍魔さんと優希さんに携帯で電話をかける。
「どうした?」
「前田っち発見。これより作戦Cに移る。」
可奈子さん意味不明。こんな時までふざけないでください・・・・。
「なにぃ!今すぐそっちへ行く。」
それだけ聞こえた後に、可奈子さんが携帯を閉じたのを見ると、龍魔さんが電話を切ったみたいだ。
「もしもし、優希ちゃん?」
可奈子さんは次に優希さんに電話をかける。
「便利な世の中。離れていても電波が直接可奈子さんの声を届けてくれるなんて。」
「うわぁ!!」
僕は突然、真後ろから優希さんの声が聞こえて飛び跳ねた。
「あれ?なんでここにいるの?」
可奈子さんは携帯をしまって、優希さんに言う。
「ちょっと秋凪くんと可奈子ちゃんの電波に波が出来てたから心配になって駆けつけたの。でも、大丈夫そうね。」
平然と優希さんが言う。僕は久ぶりに優希さんに恐怖を感じました。
「では、これより前田容疑者を捕獲します。」
「おー!」
「なんで!?」
僕は可奈子さんの声に返事をした人物に驚いて叫んだ。返事をしたのが、寝ていたはずの神児さんだからです。
「寝てたんじゃ・・・・」
僕は神児さんに聞いてみる。
「起きた。」
神児さんはピースをして答える。
そうですか。それは何よりです。僕は、自分に何かを言い聞かせるようにして諦めた。
「前田、討ち取ったりぃー!」
止めは龍魔さんですか。突然、コテージの方から声がして、見てみると龍魔さんが前田さんを気絶させていました。
ダメです・・・この人たち。探偵に向いてません。
とりあえず、僕たちは前田さんをロープで縛り、他の人全員を呼び出した。


「犯人は前田さんでした。」
可奈子さんが満足そうに告げる。
「証拠は、前田が持っていた袋の中身だ。」
そういって龍魔さんは袋の中身を出した。
中にはマッチ、ニトロセルロースと書かれた袋、スタンガン、硫化リン、などのようです。
「くっ・・・・バレちまったか。」
前田さんが意識を取り戻していたのか呟く。
「どういうつもりだ!」
高橋さんが叫ぶ。当然といえば当然のことです。
「暇つぶしだよ暇つぶし。」
前田さんが苦笑しながら言う。
前田さんがこんなに酷い人だったとは・・・・僕はショックです。
「まぁあとは警察に任せとこう。」
神児さんはそういうと、歩き始めた。みんなもそれに続く。そして僕も続いた。
「どこへ行くんですか?」
「帰る。」
神児さんは僕の質問に即座に答える。
「えっ?でも道が塞がってるんじゃ・・・」
「そんなの知らないよ。ヘリで帰るんだから。」
僕は一瞬、思考が完全にストップしました。確実に現実から逃げようとしました。
神児さんが指をさした方角には、一台のヘリがとまっていました。
「優希ちゃんの家はもの凄く金持ちなんだよ。」
「へぇー・・・。」
僕は思考がまだ止まっていたのか、可奈子さんの言葉に生返事を返した。
「どうした?早く乗れよ。」
神児さんが僕を促すように言う。
そして僕はヘリに乗った。
ヘリは空へ舞い上がる。鳥のように大空を駆け巡る。僕を乗せて。
そして、僕たちは無事に帰還しました。
世の中驚く事でいっぱいです・・・・。
てかなんだったんだ・・・今回のキャンプは・・・・。
僕の人生にまた、いらない1ページが加わりました。
「なんか、初めから優希ちゃんに頼んでヘリで帰ればよかったね。」
可奈子さんが僕へ、とどめの一言を放つ。
「まぁ楽しかったし良いじゃん。」
龍魔さんが笑顔で言う。僕にはその笑顔が悪魔の微笑みに見えます。
僕は一人、今回の事を早く忘れようとする・・・・。


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