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    長編小説

~神の異名~

―はじまり―

「その紙は最近、内の学校で流行ってる悪魔召喚の紙らしい。その紙は突然机の中に入っていて見つけてしまった場合1週間いないに悪魔の生け贄にされて死んでしまうらしい。」
浩介が、自分で持ってきた紙にまつわる話しをする。
紫呉と和真が5,6枚の感熱紙を睨みつけるような顔つきで見ている
浩介は、その2人のもの凄い威圧感に後退りしそうになる。
「・・・・ラテン語だな。」
「え?ラテン・・・語?」
突然そう呟く紫呉に浩介が聞き返す。
紫呉は聞き返した浩介をまったく気に留めず話しを進める。
「・・・ラテン・ローラム・ル・オーカム・ソー・ウェ・ゲドゥラー・・・・・」
紫呉は感熱紙の一枚を手に取り突然読み始めた。
「えぇ!?よっ、読めるの?」
浩介が平然と読み始めた紫呉に驚いて言う。
紫呉は説明するのがめんどくさそうな顔をして一息ついてから話しを始めた。
「まず言っておくがラテン語なんて読めるわけないだろ。よく見ろ、俺は確かにラテン語と言ったがこの文字自体は英語だ。
これはラテン語を無理やり英語で書いたって感じだな。」
「えっと・・・つまり英語?」
浩介は紫呉の話しを聞いた後一拍間が空いたあとそう呟く。
紫呉は何聞いてたんだよと言わんばかりの深い溜息をつく。
「つまり、ラテン語を英語で表現してるって意味だよ。わかった?」
うまく理解できていない浩介を見て和真が紫呉の言葉を簡単に言い直す。
紫呉はその間に感熱紙を見直して何か新しい事を発見したらしくて腕組をして考え出す。
それを確認して和真と浩介は静かに紫呉を見守り始めた。
何故そんなことをするかというと紫呉が考え出したらもう誰もその飛躍的な発想と脳の回転の速さには付いていけないからだ。
紫呉と唯一対等といわれてる和真でさえ紫呉が真剣に考えだしたら完全にレベルが違ってしまうほどだ。
「・・・・・なにかわかったのか?」
和真が重々しく口を開いた。
紫呉は真剣な顔をして話はじめる
「あぁ、まずラテン語というのはよく魔術関係に用いられるものだ。魔術に使う場合実際には声にだす事で言霊に乗せて儀式を行う。その理由は魔術というのは相手や自分に感染させなければ意味がない。そしてもしそれを文字で行おうとした場合ラテン語が読める奴がこの世にはかなり少人数しかいないため成功率が激減してしまう。それを補うために英語で書いたんだろう。そして日本語ではラテン語は表現できなかった。こんなとこかな」
紫呉は淡々と意見を述べる、その意見に浩介はやっぱりついていけてなかった。
和真はその意見を聞いて一言言う。
「・・・まだ何かわかったことがあるんだろ?」
和真はこういう時の紫呉の真理を読むことには少し自信があった。何故かというとこういう時の紫呉の雰囲気はいつもと違いもの凄い威圧感がある、だからその空気を俺は長年の付き合いで会得したちょっとしたコツで読み取る事ができるのだ。
「まぁな、でもこれはまだ推測に過ぎないんだがこの感熱紙の中に1枚、一番最初に五方星を逆にしたのがあったろ?
これは逆五方星といって学問の中にシンボル学というのがある。それに当てはめて考えると・・・・・いや、これは関係ないな。
まぁ逆五方星は魔術的などの意味では召喚や五大自然冥王系などに使われるものだ。つまり危険なものである可能性もある」
紫呉は和真の問いに一度軽く頷いて話を続けた。
「えっと・・・つまりは危ないものなのこれ?」
浩介が聞きなおすように言う。
紫呉は溜息をついて答えた。
「さっきもいったがこれは全て推測にしか過ぎない。推測に捕らわれすぎると真実を見失うぞ、まだ本当に危険とはいえないな。」
紫呉が淡々と話しを進める中、和真が疑問を持ち掛ける。
「なぁ、でもこれって何のために誰が作ったんだ?」
浩介もそこが一番知りたい様子だった。
「その事だが、俺はいくつかの推測を立ててみた。
まずは一つ目は、誰に魔術を掛け何らかの事柄を起こそうとした、その場合この紙の製作者は必然的に魔術に詳しい奴という事になる。
二つ目はこの魔術、つまりラテン語事態がカモフラージュか何かで実際の目的は別にある場合だ。その場合製作者や目的などはかなり見つけるのに苦労しそうだな。
三つ目は実はこの紙はラテン語でも魔術でもなくただの落書きという事。つまりお前の早とちりという事になる。まぁどれも現段階ではなんの根拠もないただの推測でしかない、俺的にはなんとも言えないな。」
紫呉が淡々と意見を述べた後あっさりとそれを自分で否定してみせる。
それに浩介も和真もなにも言えなくなっていた。
あの一瞬でそこまで考えていたとはさすがに2人とも思っていなかったらしい。
「・・・・でも、今のところ一番怪しいと思うべきものはこのクラスの人間だろうな。」
和真が紫呉に確かめるように言う。紫呉はすぐに頷き付け足すかのように話しを始める。
「まぁ当然の考えだろう。浩介の机の中に入ってた以上そんな事が出来るのはこのクラスの奴が一番やりやすく誤魔化しやすいからな。」
紫呉は当然の考えというがとてもじゃないが浩介にとってはまったく異常なほどの考えだった。


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