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    長編小説

~神の異名~

今日は日曜日だ。学校が休みなので朝早くから和真と浩介そして紫呉の3人は集まっていた。公園で待ち合わせをしていた3人は全員がそろうとすぐに歩きはじめた。
歩きはじめてすぐに紫呉が話を始めた。
「昨日のあの怪現象は二人とも覚えてるよな?」
紫呉が浩介と和真の顔を交互に睨んで聞いた。
「もちろん・・・。」
和真と浩介は声を合わせて言う。
「なら昨日の思い出話はとばしていいな。
昨日、俺も合わせてあの場にいた全員が獣のような匂いを感じたはずだ。」
「あっ!確かに昨日・・・カーテンが勝手に開いて・・・その後すごい匂いと気配を感じたよな。」
浩介が思い出すように言った。それに和真が頷いて同意した。
「それが今回の事件を解くヒントになった。」
すかさず紫呉が付け加えた。
紫呉の言葉を聞いた和真と浩介がほぼ同時に驚いていた。それもそのはず、紫呉は今回の出来事をすでに解決したかの物言いだったからだ。
和真と浩介の驚きようを見て紫呉はさらに付け加えた。
「・・・言っとくが俺はまだ何も解決していないし現実の出来事と違って何が起こるか予想できない。つまりまだ俺は何も解っていないと同じなんだからな。」
紫呉はそういうと黙り込んだ。
「・・・でもさっきの言い方は何かつかんだからあんな言い方したんだろ?」
和真は黙っている紫呉に聞いた。
「あぁ。・・・だがどんなに推測や論理を並べたところでこっちが不利なのは変わらない。それだけは覚えておけ。」
紫呉は重い表情で言った。和真と浩介が紫呉の言葉に真剣な顔で頷いた。紫呉はそれを確認してから話の続きを話し始めた。
「いいか、昨日の怪現象からいくつか解った事がある。一つは今回の出来事は全て魔術で浩介を呪い殺すことが目的だ。つまり何者かが浩介を殺そうとしている。そして二つ目は今回の犯人はかなり魔術関係に詳しい可能性が極めて高い。つまりこちらが迂闊に動けば即殺させるかもしくは何らかの対処をされるだろう。そして二つ目の推測から考えたことだが、つまり俺たちが何らかの行動を起こさないかどうか見張らなければならない。つまり俺たちの行動を把握しやすい人物、同じクラスの誰かが犯人と考えて間違いない。」
紫呉が意見を淡々と言う。
「でたぁ~早口論理。俺には何言ってるかわかんないよ!」
浩介が頭を抱えて言う。
「・・・なら今日はチャンスと言うわけか?」
和真が紫呉に一言聞く。
紫呉は和真の意見にすぐに頷く。
「そして、俺は今回の魔術について推測を立てた。
まず、昨日の獣の匂いからして今回用いられた魔術は召喚魔術ではなく潜在的能力覚醒系の魔術だ。そして召喚されたものつまり覚醒したものは犬神だ。」
紫呉は喋りながら顔がこわばっていく。
「潜在・・・なに?」
浩介が聞きなれない言葉に混乱して聞き返す。
「潜在能力覚醒系だ。」
紫呉が呆れた顔でそれだけ言いなおした。
「で、なんで犬神なんだ?犬神ってのは俺も何度が本とかで見たことはあるがそれがこんな事件を起こすのか?」
和真が紫呉に質問するように聞く。
「あぁ。俺も最初はこの推測が間違いではと何度も考えた。しかし間違いなく覚醒したのは犬神だ。どうやら潜在的に浩介には犬神が憑いていたらしいそれを犯人が見抜いて今回の魔術を実行したと考えられる。潜在的能力覚醒系は普通の魔術や呪術と違い呪詛返しなどができないところが長所でもあるからな。」
「なるほど・・・。」
和真は肝心しながら頷いた。
「えっと・・・対策とかはもう決まってるの?」
浩介はずっとそれを聞きたかったらしくついに聞きたかったそれを聞いた。
「対策というか俺たちに出来ることは一つしかない。実際に犬神を止める方法はこの世に二つある。一つは犬神憑きの人物この場合浩介が犬神をコントロールする。しかし、そうとうの術者ですら犬神のコントロールは難しいとされるのに浩介が犬神をコントロールできるはずがない。そしてもう一つ俺たちにもできる可能性のあるもの。それは今回、浩介に魔術をかけた張本人と魔術の方法をつきとめて魔術を破るあるいは封印する。」
紫呉は意見を淡々と一人で述べた後何かを考えるように黙りこんでしまった。
浩介は紫呉の話を聞いて少し恐怖を感じていた。なぜなら紫呉のいう一つの可能性が失敗あるいは出来ないとしたらどうなるのだろうと考えてしまったからだ。
「まぁ取り合えず家にいって詳しい話をしようぜ。」
和真が場を促し早足で家に向かわせた。


―2―

和真の家に着いて3人はすぐに本題のこれからについて話していた。
話初めてから状況がかなり悪いという事だけがやたらと強調されていっていた。
「あの紙は取ってあるのか?」
唐突に紫呉がこの事件のきっかけになった感熱紙のことをだす。
「あぁ。あれなら気味悪かったけど取ってあるよ。」
そういって浩介が紙を紫呉に渡す。
「・・・その紙がどうかしたのか?」
和真が紫呉に疑問がって聞いた。
「・・・いや、別になんでもない。」
紫呉はそれだけを言って。浩介に紙を返した。
「効くかわからんが一応、御札で結界を作ってみるか・・・。」
突然、紫呉が言った。
「はぁ?結界の作り方なんか知ってるのか?」
当然、和真が聞いた。
「出来るかわからんが前に本で読んだことがある。」
紫呉はあっさりとそう言った。
「・・・不安だ。」
浩介がボソッと呟いた。
「まぁ初めから上手くいくとは思っていない。今回の作戦はあくまで推測に推測を重ねて考えた成功率の低いものだしあまり期待はしないほうがいい。でもやってみる価値はある。」
紫呉が淡々と言ってのけた。
3人はなにか作戦を考えたらしい。浩介と和真も作戦の準備に取り掛かり、かなり真剣になっている。
そしてそのまま夜を迎えていた。


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