―はじまり2―
翌日、浩介は早くに学校に来ていた。その理由は偶々早くに目が覚めてしまったからという特に珍しくない理由だった。
浩介が何をするでもなく誰もいない教室でボーっとしてると突然教室のドアが開いた。
浩介が咄嗟にドアの方を向くと紫呉と和真が立っていた。
「あれ?紫呉の考えと同じ事をまさか浩介がやってるとは。」
和真が驚いた表情で言う。
「へ?何のこと?」
浩介が理解できずに素で聞き返す。
「・・・やっぱり違ったか。どうせいつもより早く起きちゃったとかそんな感じでしょ?」
和真が微笑しながらいった。
「・・・さすが鋭いな。
そういえば昨日の事なんだけど・・・。」
浩介は一言返すと昨日の話に切り替えた。
「その事だが、やはりクラスの人間が一番怪しいと思うぞ。
その理由は二つかあるが一つは呪いかたにある。紙を机の中に入れるというやつだ。
あれは別のクラスの奴がやるにはリスクがありすぎる。教室に入るところを見られたり机の中に入れてるところを見られたりなど失敗の可能性がありすぎる。
俺だったらリスクの低い郵便、FAX、メール、いくらでもやりようはある。
二つ目は、お前の言っていた噂だ。昨日あれからいろいろ聞いて周ったんだがお前の言う噂はやっぱりだいたいの人が知っていた。だが実際に見た、机の中に入ってた、などの話しは一つもなかったからだ。
おかしくないか?あれだけ噂が広まっていてなぜ一つも実際に見たなどの話しが出てこないのにお前だかその紙を持っていたか・・・・それは一つしか考えられない。噂は誰かが故意的に流していて程よく広まったところで真に狙っていた奴に本当に紙を出す。そしてその狙ってた奴がクラスに居るため机の中でよかった。
俺の考えはやはりまだ推測の段階を脱出してないがたぶん半分以上はあってると思っている。」
昨日の話に切り替わった瞬間、紫呉が意見を淡々と述べる。
「はっ?へ?えぇ・・・」
浩介が紫呉の早口な言動に理解できずにいた。
「なら既に陰険な事をする馬鹿犯人はだいたい34人に絞られたわけだ。」
和真は理解してない浩介をほっといて紫呉に確認するかのように言う。
「まぁ現段階の推測ではの話しだがな。」
紫呉は肯定も否定もしてない様子だった。
「ちょっと!俺には何がなんだか。」
浩介が二人だけで納得してるのを見て焦り気味に言う。
「・・・生半可な知識なら持たない方がいいぞ。
自分の考えてる事は正しいと思っていると当然相手の意見は聞かなくなるし理解もしにくくなる。生半可な知識のせいで思考の広さを縮めてしまってはもともこもないからな。」
紫呉が浩介にさらっと言う。
「・・・さらっときつい事言うのね。しかもよく解んないし・・・」
浩介が諦めたように肩を落として言う。
「そろそろ今日、なぜ早く来たかという話題に入ろう。」
和真が場を促す。
「そうだな。
まず、なぜ今日俺と和真が早く来たかというといろいろ調査するためというのは言うまでもないな?」
紫呉が浩介に聞くように言う。それに浩介が頷いてみせる。
「まぁ調査といっても今回の調査じゃほぼなんにもわからないといってもいいだろうけどね。でもやってみる価値はあるだろうという事で紫呉と意見が一致したために一応ね。」
和真が少し笑いながら言う。
「でっ、その調査というのは簡単でそれぞれの机の中の荷物の置き方、それと教室の隅々をくまなく見る、そんなとこかな」
紫呉が実際に何をするかの説明する。
説明を終えると3人は早速その調査に入った。
紫呉と和真はかなり真剣な目をしてくまなく探しているようだが浩介にはいったい何を見ればいいのかさっぱりわからなかった。
あえて言えば机の中が汚いやつとキレイに整頓されてるやつとに別れてる事くらいしか見てとることが出来なかった。
「えっと・・・何をみればいいの?」
浩介は堪らずついに聞いた。
「明らかにそれらしいのが入っているかと赤いものと黒いものが何個入っているかとその赤と黒のものがどんな配置になっているかを見ろ。」
紫呉がそう言ってすぐに調査を再開する。
「・・・なんだそりゃ。」
浩介がそう呟いて今度は言われた物を探しながら机の中を見始めた。
そして、そろそろクラスの人たちが来る時間帯になったのを確認して調査を打ち切った。
「・・・残りは放課後だな。」
和真がそういって出来る限り教室を元の状態に戻した。
そしてクラスの人が次々と入ってきて何もないかの用にいつもの生活が始まった。