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    長編小説

~神の異名~

― 一週間の制限 ―

浩介は放課後の調査を終えて自宅に帰って着ていた。
「ふぅ・・・暇だな。」
浩介は一人で何をするでもなく呟いていた。
ガタガタ・・・・ガタガタ・・・・
その時、窓の外から何かだ窓を叩くような音が聞こえた。
浩介は気のせいだと思いそのまま気に留めなかった。
ガタガタガタ・・・・ガタガタ・・・
また音がする。今度は気のせいではない・・・・さっきより音は正確に耳に入ってくる。
「なんだ?・・・風か?」
浩介は風が吹いてると思ってそう呟いた。
ガタ・・・ガタガタ・・・・・ガッ・・・ガタ・・・
その音はさらに強くなっていた。そして風にしては明らかに音のリズムがおかしかった。
それは確実に誰かが窓を叩いている音・・・・・・・・
ダレカガイル・・・・ダレカガマドヲタタイテイル・・・・ダレカガ・・
何故かそんな恐怖が沸いてくる
「・・・ここ・・3階・・・だぞ。」
浩介は沸き上がる恐怖を押し込め窓に歩を進める。
ガタガタ・・・ガタ・・・・ガタガタ・・
窓はまだ叩かれている、何者かに。
浩介は足音を殺し恐る恐る何者かに叩かれている窓に近づいた。
「だっ・・誰だ!?」
浩介は怒鳴ると同時に窓のカーテンを開ける。
そこには誰も居なかった。人影どころか動物の影、虫の影すらない。
ナンダ ダレモ イナカッタ・・・
浩介は安堵の溜息をつく。
その時浩介は窓の異様なモノに気づいてしまった。
窓にはあってはならないものがあった
窓には無数の手形が付いていたのだ。
その手形は窓の上端から下端にまでのぼっていた。
「なっ・・・なんだよこれ・・・おかしいよ・・・・」
浩介は恐怖で腰をぬかしてその場に座り込んでしまった。
「!!?」
その瞬間、浩介は後ろに何者かの気配があるのに気が付いた。
その気配は人間ではない。
振り向かなくても足先から髪型、顔つき、全てのモノが正確に頭に浮かんだ。
何故か何者かが部屋に現れた瞬間あたりは耳鳴りがするほど静まり返っている。
既につけていたテレビの音も聞こえない・・・・・。
そして仕切りに浩介の脳が振り向いてはいけないと信号をだしていた。
「―――な・・・だ・・・れ・・・だよ。」
浩介は恐怖で口が動かない。そして動かない体についに何者かが触れた
その時、ガチャッ っという音とともに部屋のドアが開いた。
そこに立っていたのは和真と親だった。
「お友達が急用だって言うし浩介は呼んでも返事がないから・・・。」
親が少し困った様子でそう呟く。
「あっ・・・・かず・・・和真。」
浩介は上手く動かない口でそれだけ言って涙目で笑顔を作った。
「・・・・どうした?」
和真は浩介の妙な興奮状態と少し残る動物のような匂いに気づいて焦った表情をする。
そしてそのまま無理を言って浩介の部屋に泊めてもらうことにした。


―2―

翌朝、昨日の出来事を一日掛けて落ち着いた浩介に詳しい話を聞いた。
「・・・・始まったか。」
紫呉がボソっと一言喋る。
「始まった?よく理解できないが?」
和真が詳しい説明を要求する。
「つまり浩介の机の中にあの紙が入れられた時点で悪魔召喚は始まっていたんだ。」
紫呉が近くの椅子に座って足を組んで言う。
紫呉は一点の余裕もない顔をしていた。紫呉がここまで焦った顔をすることは滅多にない。もし紫呉がここまで焦った顔をするとしたら自分の推理が間違っていた時か自分の推測を超えた出来事が起こったときだ。今回の場合は推測を超えられたからだ。
「てことは・・・あの紙は本物だったのか?危険なのか?」
浩介が一番知りたかった事を聞く。
「・・・現段階ではかなり危険なモノになる。」
紫呉がすぐに肯定する。
「で?対応策はあるのか?」
和真が紫呉に真剣な顔つきで聞く。
「・・・・今のところ何一つ見つかっていない。
悪魔というのは非現実的なものであって論理などでどうの出来るモノではないしましてやテレビとかでやっている霊能力などがあるわけでもない。今出来る事としてもし挙げるならなるべく一人にならない事くらいだろう。」
紫呉はあっさりときつい事を述べる。
「・・・マジで?」
浩介が真っ青な顔で聞き返す。
それに紫呉が頷く。
その時すでに魔術の半分が完成しようとしていた・・・・・。


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